手巻き式とクォーツ式ムーブメントの違い。デメリットとメリットについて。
時計には大きく分けて二種類の機械(ムーブメント)が入っています。 ひとつが、ゼンマイの動力を使って動く「手巻き(機械)式」。もうひとつが、電池を稼働させて動くクォーツ(電池)式があります。
※手巻き式の他に機械式には自動巻きがありますが、当店取扱いの懐中時計は手巻き式のみです。
手でゼンマイを巻き上げて動く「手巻き式」。中に電池が入っており、その力で自動的に動き続ける「クォーツ式」。
比 較 | ||
手巻き式 | クォーツ式 | |
精度 | 日差 | 月差 |
価格 | クォーツより高め | 比較的リーズナブルなものが多い |
長持ち | 日々のメンテナンス次第で、一生のパートナーに。 | 約10〜20年程度 |
デザイン | 中の機械を魅せるスケルトンやオープンハートなど懐中時計の魅力を伝えるデザインが多い。また針は装飾性の高いものがクォーツよりある。 | 針を動かす力が弱いため、細めでシンプルな針を使うことが多い。 |
【手巻き】
1ヶ月で数秒のズレが起こるクォーツに対し、手巻き(機械)式は1日に数秒の誤差がでます。このことを日差と呼びます。機械式の場合、持ち歩いたり机に置いたりしている内(姿勢差)に、少しずつ時間がズレていきます。中で動く機械が重力を受けたり、摩擦を受けたりするためです。
基本的に手巻き式は毎日ゼンマイを巻いてあげる必要があるため、時間調整は3,4日か一週間以内に行うと良いでしょう。こういった面でも、手巻きは時計好きや玄人の方におすすめの時計になります。
【クォーツ】
クォーツ式の誤差は、1ヶ月に数秒から数十秒と言われています。腕時計などでは年単位でしか誤差がでないものもあります。
手巻き式と違い、手間がほとんどかからないので、初心者の方や贈り物にもおすすめです。
一般的に同ブランドで比較した際、クォーツ式より手巻き式の方が高いです。時計にステータスを求めるのなら、機械式をおすすめします。また手巻き式ムーブメントを搭載した懐中時計には、スケルトンタイプのものもあり、そちらは装飾がより細かになるため更に価格が高くなります。
クォーツはリーズナブルな上、先の精度の項目でもあったようにとても正確に時を刻みます。電池が切れない限りは動き続けるため、毎日リューズを触る必要もありません。しかし趣味性は薄いため、より実用性を求める方に向いているといえるでしょう。
簡単に言うとクォーツ式は約10年程度、機械式はメンテナンス次第でそれ以上使い続けることができます。
クォーツ式は名前の通り電池で稼働するため、電子回路が寿命を迎えるともう手の施しようがありません。中の機械ごと入れ替えるしか方法はありませんので、場合により新品を買った方がマシな時もあります。
対して機械式は中のパーツを分解・交換すれば、ずっと使い続けることができます。きちんとした使い方をすれば、10年20年・・・それ以上愛用出来るため、大切に使った時計を次の世代に譲ることも可能です。そういった意味でも、手巻きは高価ですが、持つ価値は高いといえます。
手巻き式はアート性に富み、特に中の機械を存分に楽しめるスケルトンタイプが人気です。クォーツ懐中時計に、基本的にはスケルトンタイプはございません。また時計本体の厚さですが、手巻き式はムーブメントの構造が複雑なため厚めになります。クォーツ式はシンプルで、薄型のモデルも存在します。(高級ラインになってくると、手巻き式でも薄型は存在します)
針についても、手巻き式は力があるため太く大きな針も動かすことができます。つまり装飾性の高いものや針が見やすく視認性の高いデザインが多くなります。逆にクォーツは細い針のデザインが多いです。
また、カレンダー機能がついているものはクォーツ懐中時計のみになります。実用性やシンプルさを求められるのなら、クォーツがおすすめです。趣向性やよりクラシックさを求めるのなら手巻きのデザインはぴったりではないでしょうか。